2020/06/26
腰痛は日本人の4人に1人、約2800万人が悩んでいるというデータがあります。(様々な調査データあり)
ところが、「原因の分かる腰痛は15%で、それ以外の85%は、原因がはっきり診断できない」と言われてきました。
出どころは2012年出版の「腰痛診療ガイドライン」で、レントゲンやMRIで、病理解剖学的に正確に診断できる腰痛は、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎圧迫骨折などが約15%。
それ以外の85%は、原因がはっきり診断できない腰痛(非特異的腰痛)とされていました。
これを聞いた時には、正直、驚きました。
当院では、「どこを」「どのように動かしたら」「どこに痛み・違和感が出るのか」を分析すると、ほぼ原因を推定でき、多くの腰痛を改善できるからです。
「腰を動かしても腰痛は出ない」
でも「股関節を動かすと腰痛が出る」なら股関節に原因がありそうですよね。
首を動かして腰痛が出るなら、首のゆがみ・ズレが原因になっているのか、もしくは背骨のどこかに歪み・ずれがあって脊髄硬膜を引っ張って腰痛が出ているのか、ということが推定されます。
多くの腰痛は原因がわかり、原因がハッキリしない腰痛は、そう多くない、といった感覚を持っていましたので・・・。
「腰痛診療ガイドライン」が昨年改訂され、第2版では、腰痛の原因として、狭窄症、椎間板ヘルニア、仙腸関節性、筋・筋膜性、椎間板性などの原因があげられ、これらの原因が腰痛の75%を占め診断可能である、となりました。
そうですよね。
ところが、谷川整形外科クリニック院長 谷川浩隆医師によると
これらの腰痛は、レントゲンやMRIを撮っても「これが原因だ」と確定できる所見はなく、病理解剖学的に正確に診断することができない点ではあまり変わっていないのだそうです。
また、「腰痛診療ガイドライン」において、運動療法は最も評価が高いグレードAの治療法となっていますが、
谷川浩隆医師は、
「『腰痛体操の種類によって効果の差はない』『現時点で効果的な運動療法の種類を明確に示す論文はない』
新ガイドラインにも、『現時点で効果的な運動療法の種類を明確に示す論文はない』と書かれていて、いずれにしても『からだを動かす』ということが重要で、からだを動かすなら『どんな方法も全て正解だということに変わりはない」とおっしゃっています。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65705
ちょっと待ってください!
異議あり!
例えば、「身体を右に倒すと腰痛がひどくなるが、左に倒すと腰痛が楽になる」状態の場合、右に倒す体操をするのと、左に倒す体操をするのと効果は同じでしょうか?
どちらかは悪化する体操であり、どちらかは改善する体操であることは明白です。
身体のバランスが崩れて腰痛が出ているのです。
「バランスがさらに崩れる方向に体操すれば症状はさらに悪化し、
バランスが整う方向に体操すれば症状は改善する」というシンプルな原理原則に従うのではないでしょうか。
確かに左右差が微妙だったり、違和感と良くなる感覚(気持ち良さ)が混在しているきには、左右両方行うとはありますが、それでも原理原則は存在するのです。